ハーブ農家の料理とおいしい畑の話
はじめまして、lala farm table 農園主の奥薗和子です。
豊かな自然環境に恵まれた青梅市の里山で、農薬や化学肥料を使わない自然に寄り添う農法でハーブや伝統&西洋野菜、草花を栽培しています。
種から育てた野菜やハーブが葉を茂らせ、花を咲かせ、実をつけ、種となっていく。植物の一生のなかで様々な姿を見せてくれます。
スーパーでは見かけることのない季節の野菜やハーブと、シンプルな農家レシピを畑の様子とともにご紹介できたらと思います。
カーボロネロの脇芽のオープンサンド
さて、暖かい春を迎えアブラナ科の菜の花や紅菜苔など菜花類が旬になるこの時期、昨年夏に播種し秋から冬にかけて葉を収穫し、冬の寒さに耐えぬいて春を迎えたイタリア原産の黒キャベツ“カーボロネロ”は、葉を収穫した節のところから新しい芽(脇芽)がわさわさと成長してきています。
これから花を咲かすためのこの脇芽がとっても美味しいのです。柔らかくて甘く、うまみがたっぷり。苦味やえぐみなし。さっと火を通すと甘さが引き立ちます。これを味わうために、栽培しているようなものです、といつも思ってしまう。でも冬の縮れた黒い葉も絶品なんです。絶品期が何度もやってくるお野菜のひとつ。作り手としての醍醐味は、畑で美味しい経験値がどんどん増えていくことのような気がします。
材料(2人分)
・カーボロネロ(脇芽) 80g(大きめの葉は外して使う)
※脇芽がなく葉で作る場合、葉を茎から外し、葉部分を使用。
※菜花でも美味しく調理できます。
・ニンニク 1片
・塩 適宜
・黒胡椒 適宜
・パルメザンチーズ お好みで
・オリーブオイル 適宜
・水 大さじ2程
・カンパーニュ 1㎝程の厚切りスライス
作り方
① カンパーニュを、カリッと焼いておく。
② カーボロネロ(脇芽)とスライスしたニンニクをフライパンに入れ、オリーブオイルと水、塩を軽く振りかけ蓋をし、弱い中火で2~3分ほどオイル蒸しにする。途中さっと上下を混ぜる。
③ カンパーニュに②をのせ、黒胡椒と香りづけのオリーブオイルをかけ、仕上げにパルメザンチーズをふりかけて完成。
POINT
▪加熱しすぎない。
▪カンパーニュはカリッと焼くことにより、カーボロネロの旨味たっぷりの汁がはいりこんで美味しくなる。
▪半熟目玉焼きをのせてあげてもよい。
▪菜花でも美味しく調理できます。
使用した東京産食材
・カーボロネロ
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lala farm table 農園主
奥薗 和子/KAZUKO OKUZONO
東京・青梅市で、農薬や化学肥料を使わない自然に寄り添う農法で、ハーブや伝統&西洋野菜、草花を栽培するフローリストファーマー。
前職では12年間ドイツに暮らし、ドイツフローリストマイスターとして花屋に勤務。自生する植物を用いたフラワーアレンジメントや、美味しい食材や花を添えたテーブルを家族・友人と囲む文化を経験し、野菜や草花を暮らしの中に届けるような仕事がしたいと考え、農家になる決意をする。
帰国後、有機農業を学び、2019年に開業。四季折々のハーブや草花、野菜をセットにしてお届けしている。
著書に「ドイツ式ハーブ農家の料理と手仕事」(山と渓谷社)5月1日発売予定