セイラーズフォーザシー日本支局理事長の井植美奈子さんに、お話を伺いました。
▪東京都と包括連携した経緯と目的をお聞かせください。
持続可能な水産物リストを紹介する「ブルーシーフードガイド」の普及活動において、東京都と2021年9月14日に海洋環境保護に関する包括協定を締結しました。
この協定締結により、両団体は主に(1)持続可能な水産物リストであるブルーシーフードガイドの推進、(2)海洋環境の保全に係る普及啓発、(3)東京産水産物の持続可能な利用及び水産業の発展、の分野で協働し活動することを目的としています。
▪一般消費者へのPRはどのようにされていますか?
セイラーズフォーザシーでは、ブルーシーフードガイドの理念に賛同する様々な分野の組織、飲食店等について認定審査を行い、「ブルーシーフードパートナー(※3)」として認定しています。(2023年9月末現在、東京都を含む30の団体・企業・レストラン等が、都内のブルーシーフードパートナーとして認定されています。)
この「ブルーシーフードパートナー」を介して消費者の皆様へ発信を広げてまいります。
特に、飲食店ではブルーシーフードガイドに掲載されているサステナブルなシーフードを、優先的に調達することが推奨されています。
・ブルーシーフードパートナーのレストランで、ブルーシーフードメニューを楽しむ。
・ブルーシーフードパートナーのお店で、新鮮なブルーシーフードを買う。
・ブルーシーフードパートナーの企業を、応援する。
など、消費者の皆様の毎日の小さな選択が、海と地球を守る大切な一歩につながることをお伝えしていきたいです。
(※3)https://sailorsforthesea.jp/sustainable
▪東京都が取り組むメリットやポイントを教えてください。
他府県に比べて非常に有利なのは、東京は一大消費地であり産地と直結する豊洲市場を持っていることだと思います。
マーケットの大きさは日本一。全国の水産物が集積する流通のセンターというイメージですが、東京の島しょエリアから短時間で市場に納入できる強みがあります。
TOKYOシーフードや新鮮なブルーシーフードを買うことで、魚の「地産地消」を進めてもらいたいですね。
▪今後の展望をお聞かせください。
東京産ブルーシーフードの“ブランディング”に取り組んでいきたいと考えています。ブルーシーフードパートナーとの連携・協働に注力していきます。
また、教育面での充実も視野に入れています。現在は産官学の連携で大学との接点はありますが、小・中学生や高校生を対象にした「食育教育」を広げていこうと考えています。
今後は、持続可能性に観点を置いた「食育教育」の一つとして、学校給食にブルーシーフードを取り入れてもらうことなどを想定しています。
東京都との包括提携の柱の一つ、「東京産水産物の持続可能な利用及び水産業の発展」をさらに進めてまいります。
▼一般社団法人セイラーズフォーザシー日本支局
https://sailorsforthesea.jp/